慣習にとらわれず自分らしい葬儀の形を考えようと、NPO法人信州地域社会フォーラム(事務局・松本市)は7日、具体的な事例を紹介する「模擬葬儀」を、松本市の東昌寺で初めて開いた。参列者役に県内外から約60人が参加。架空の葬儀から、生前の意思を生かす方法を学んだ。 NPO法人ライフデザインセンター代表理事の久島(ひさしま)和子さん(71)=松本市=ふんする女性が、葬儀の希望などを「エンディングノート」に書き残したという設定。遺族役が「愛用の水差しを骨つぼにして」「葬儀では好きな音楽を流して」といった希望を尊重しつつ葬儀の打ち合わせをする映像作品を上映した。 上映後、久島さんは着物を仕立て直した黄色の死に装束で登場。顔が透けて見えるベールをかぶり、ひつぎに入った。東昌寺住職で同フォーラム副理事長の飯島恵道(けいどう)さん(49)が納棺などを実演した。 参加者はひと言ずつ声を掛けながら焼香。松本市内の主婦(73)は「参考になった。自分の気持ちをエンディングノートで子どもや孫に知らせたい」と話していた。 会場では、NPO法人葬送を考える市民の会(札幌市)が作ったさまざまな死に装束の展示もあった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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