障害者虐待防止法が施行された昨年10月から同12月までに、県内で障害者が家族や福祉施設職員らから虐待を受けたと判断された事例が10件あったことが7日、県のまとめで分かった。この期間に県や市町村に寄せられた相談64件の内容から判断した。 県障害者支援課によると、内訳は8件が家庭、2件が施設での虐待。家庭での虐待の内容(重複あり)は暴力などの身体的虐待が6件、暴言などの心理的虐待と経済的虐待が各2件、放棄・放任が1件。 家庭での虐待について、市町村は障害福祉サービスを利用してもらったり、家族らへの相談、指導、助言をしたりしたほか、2件については施設に入所させたりして虐待した人から障害者を引き離した。 虐待があった施設はケアホームと、障害者が雇用契約を結ばずに働ける「就労継続支援B型事業所」。ケアホームでは職員が利用者の体を触ったりし、事業所では職員が不適切発言を繰り返して障害者を精神的に追い詰めるなどしていた。ともに県が立ち入り調査し、同法に基づく改善報告書の提出を求めた。 県は、同法施行前の昨年9月に施設職員らの研修を行って虐待防止を目指してきたが、同課は「今後も研修を重ね、関係機関とも連携して虐待防止に取り組む」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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