福島第1原発事故で県内に避難した人らを支援する有志でつくる「子どもたちを放射能から守る信州ネットワーク(子ども信州ネット)」は、松本市の県松本合同庁舎で発足イベントを開いた。同原発周辺の放射能汚染の現状を学び、支援の在り方を考えた。 県内に保養に訪れる避難者を支援している13の関係団体が、情報交換や募金活動で連携する狙いで発足。イベントは「子どもたちを放射能から守るために信州でできること」と題して開き、福島県内からの移住者や関心がある市民ら約350人が参加した。 映画監督鎌仲ひとみさんらがパネル討論で話し合った。子ども信州ネット代表の森永敦子さん(松本市)は、今も周りの目を気にして「放射能への不安を口に出せない環境に苦しんでいる親もいる」と述べた。 参加者の一人、今井りつ子さん(41)は事故当時、福島県郡山市在住。ことし1月に夫と4歳の長男と一緒に松本市に移住したといい「自分が放射能を気にし過ぎているのかと思っていたが、同じ思いを持つ人たちに会えて良かった」と話していた。 会場には保養施設を紹介し、寄付を募るコーナーも設けた。福島県から松本市に避難し、同ネット副代表を務める植木宏さん(42)は「福島の現状を丁寧に発信し、信州の皆さんに協力を得て子どもたちを守りたい」と強調していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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