県内は13日、日本海に延びる前線に向けて南から暖かく湿った空気が吹き込み、松本地方を中心に強い風が吹いた。最大瞬間風速は安曇野市穂高で観測史上最大の21・9メートル、松本今井では3月の観測史上最大の23・1メートルを観測。安曇野市で風にあおられた女性が転倒して骨折した他、建物の屋根が飛ばされたり、木が倒れるなどの被害が出た。長野地方気象台は、「松本地域は平地が南北に延びており、南風が通りやすいため風が強まった」と話している。 松本広域消防局などによると、安曇野市三郷温で正午ごろ、民家敷地内の木造物置が強風で壊れ、片付けをしていた70代女性も強風にあおられて資材とともに転倒。右足を骨折したとみられ、松本市内の病院に搬送された。 安曇野市では同日午前、建物の屋根が風で壊れる被害も相次いだ。豊科高家では10時すぎに民家のトタン屋根が飛ばされ、豊科南穂高では10時半ごろに運送会社の元事務所の屋根が半分めくれあがった。 同市では、堀金烏川で消火栓の格納庫が倒れた他、正午ごろに穂高有明で倒木が市道をふさいでいるのが見つかり、市職員が撤去した。 一方、松本市危機管理部によると、同市では中川の四賀有機センターと取手の坊主山クラインガルテンのクラブハウスで屋根材が一部はがれた他、城山では住宅脇の車庫が飛ばされて市道をふさいだ。同部によると、小規模な倒木や落石、カーブミラーや道路標識の支柱が折れるなどの被害も計13件あった。 県1では午前10時45分ごろ、ホテルの駐車場で直径30センチほどのシラカバが待機中のタクシーに倒れかかった。タクシーは後部窓などが破損したが、乗客はおらず、運転手にもけがはなかった。 さらに、安曇野市三郷小倉では午前11時25分ごろ、リンゴ畑の下草計10平方メートル余りとリンゴの木1本を焼いた。安曇野署は、隣のブドウ畑のたき火の残り火が強風で下草に燃え移ったとみて調べている。 県営松本空港(松本市)発着のフジドリームエアラインズ(FDA)は13日、福岡発松本行きの便が行き先を名古屋空港に変更して着陸するなどダイヤが乱れ、計141人に影響した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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