リニア中央新幹線や三遠南信道の開通を見据えた県と南信州広域連合の「飯伊地域の地域づくり基礎調査検討会議」は14日、飯田市内で開いた会合で報告書をまとめた。土地利用、交通体系、産業の分野で現状をつかんだ上で飯田下伊那地域が今後取り組むべき課題を整理。各市町村が定める基本構想・計画づくりに活用してもらう狙いだ。 報告書は、人口が1985(昭和60)年の約18万人をピークにリニア開業直前の2025年には15万人前後になることや、産業生産額の9割を製造業が占めている現状などを挙げた。それらを踏まえた今後の主な取り組みのうち土地利用では、広域的な視点に基づく土地利用や、リニア建設工事に伴う発生土(残土)の活用、水資源の保全といった環境保全活動の推進などを盛った。 交通体系ではJR飯田線やバス、タクシーなどの交通機関と県内リニア駅との円滑な乗り継ぎの確保、産業では健康・医療、環境・エネルギー産業での新たな事業展開に向けた共同研究などを挙げた。 昨年4月に発足した検討会議は地元首長や学識経験者など計18人で構成。部会や全体会での議論や提言を報告書に反映した。この日の会合で羽場睦美座長は「報告書を各市町村や広域連合が地域づくりに使ってほしい」と語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧