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「バイナリー発電」見送り 小谷村の地熱発電検討委

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 熱水で沸点の低い液体を沸かし、蒸気にして発電する「地熱バイナリー(二つから成る)発電」の事業化を探っていた北安曇郡小谷村は26日、専門家や住民でつくる地熱発電事業化検討員会を開き、現段階での事業着手を見送ることを決めた。対象の井戸1本で実施した揚湯(ようとう)調査の結果、採算性が合わないことが分かったためだ。  村は2005年から、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査事業で、同村北小谷の下寺地区で3本の井戸を掘削。発電量が当初見込みよりも低い100キロワット未満にとどまったため検討を中止していたが、昨年始まった固定価格買い取り制度や、小規模発電設備の開発が進んだことから検討を再開していた。  昨年12月、村はこの3本の井戸の無償譲渡を受け、うち1本であらためて温度や湯量を調査。この日の検討委では、約70度の熱水を毎分140リットルくみ上げられるとし、技術的には発電できると報告。ただ、揚水ポンプの使用電力が発電量を上回ることが分かり、「地熱バイナリー発電にこだわるべきではない」「他の熱利用の可能性も探りたい」との意見が出て、事業化を見送る―と結論づけた。  村は今後、温室ハウスや融雪システムへの熱利用の検討や、村が別に所有する2本の井戸を加えてあらためて地熱バイナリー発電の可能性を探る。松本久志村長は「地熱発電を断念するわけではない」と説明。来年度から自然エネルギーの活用に向けて新たに専門職員を雇って研究を続けるとしている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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