茅野市蓼科高原にゆかりが深い映画監督の小津安二郎(1903~63年)にちなんだ「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」の実行委員会は、本年度の開催を9月27~29日の3日間と決めた。予算の都合などで近年は2日間の開催が続いてきたが、ことしは小津監督の生誕110年に当たることから、期間を5年ぶりに3日間とし、名作上映や多彩な行事を催す。 実行委によると、上映作品は既に4本が決まった。小津監督作品は「東京物語」(1953年)の画像を修復したデジタルリマスター版と、無声映画の「出来ごころ」(33年)、「早春」(56年)の3本。「東京物語」を下敷きに現代を舞台に描いた山田洋次監督の「東京家族」(2013年)も上映する。これらを加えて計10作品余を選んでいくという。会場はJR茅野駅東口の茅野市民館と近くの映画館・新星劇場。 ことしは、蓼科高原で小津監督と脚本を共同執筆した脚本家野田高梧(こうご)(1893~1968年)の生誕120年にも当たり、実行委は2人にちなんださまざまな関連の催しやゲスト招致を計画中。夏ごろには、「東京物語」など数多くの小津映画に主演した俳優笠智衆(りゅうちしゅう)さん(1904~93年)が蓼科高原に構えた山荘の一般公開も予定している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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