コウノトリ危機一髪？　キツネが狙う瞬間撮影

　北安曇郡白馬村に飛来した国天然記念物のコウノトリをキツネが狙う瞬間を、同村の歯科医師小田高平（こうへい）さん（５９）が３月３１日に撮影した。キツネは５メートルほどまで詰め寄ったがコウノトリは難を逃れ、１日には大町市で餌をついばむ姿が見られた。 　撮影は午後２時ごろ。村のチョウ保護観察員でもある小田さんが同村神城の棚田でコウノトリを撮影していると、突然、棚田のムクドリの群れが飛び立ち、一段上の田んぼから、姿勢を低くし、鋭い目つきで近づくキツネが。一気に間を詰めようと駆けだすのを見て、コウノトリは悠然と舞い上がり、３０メートルほどの距離を取ってまた田んぼに降りたという。 　「大きなコウノトリに向かうくらいだから、キツネも繁殖期でよほどのことだったのか」と小田さん。空腹なのかしつこく攻撃の機をうかがっていたが、１０分ほどでいなくなったという。 　このコウノトリは、足環（あしわ）の組み合わせから３月１３日に大町市平（たいら）のハス池に飛来し、その後白馬村で観察されていた雌とみられる。１日に再び当初のハス池に戻り、ドジョウとみられる餌を丸のみしていた。（長野県、信濃毎日新聞社）