サッカーボールをドリブルしながら、北海道から沖縄県までの日本縦断に挑戦している大阪市の石部竜太さん(23)が4日、山梨県から国道20号沿いに諏訪郡富士見町に入った。県内を縦断し、野宿をしながら長野市を目指す。 石部さんは大学生だった2011年、東日本大震災で被災した宮城県石巻市にボランティアに行った。同市を訪れたのは初めてで、がれきを処理しながら、震災後の姿しか知らないことを「悔しい」と思ったという。同時に「自分は日本のことを全然知らない」とも思った。日本縦断を決意し、大学を卒業した昨年7月、北海道から全ての県庁所在地を訪ねる旅を始めた。 自分にしかできない方法はないか考え、幼稚園から17年間続けたサッカーのドリブルを思い付いた。珍しい姿が目を引き、さまざまな出会いが生まれているという。 3日に泊まった山梨県北杜市では、以前岩手県で野宿をしたときに声を掛けられた夫婦と再会。温泉に連れて行ってもらい、家にも泊めてもらったという。 本州の日本海側を南下し、いったん大阪市の実家へ。東海、関東地方を経由し、長野県は都道府県で27番目だ。テントや簡易こんろを詰めたザックは20キロ以上。靴は履きつぶして3足目になった。1日20~40キロしか進めず、集中力も要る。石部さんは「たくさんの人が応援してくれるので頑張れる。ゴールしたとき、自分が何を感じるのかが楽しみ」と話していた。10月にゴールする予定という。(長野県、信濃毎日新聞社)
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