囲碁七大タイトル戦の一つ、第51期十段戦五番勝負の第3局が4日、大町市のくろよんロイヤルホテルで開かれ、挑戦者の結城聡九段が189手までで井山裕太十段に黒番中押し勝ちして2勝1敗とし、タイトル奪取へあと1勝とした。囲碁界初の6冠同時制覇を達成した井山十段の勝負とあって、大盤解説会でも多くのファンが熱戦を見守った。 大町市での十段戦は20年連続。午前10時に始まった対局は午後6時22分に終わり、持ち時間3時間のうち残り時間はともに1分だった。結城九段は「終盤は手応えがなく厳しかったが、すばらしい環境の中で勝てて良かった」と大町での初対局にホッとした表情。井山十段は「判断も読みもまずく、ミスが多かった」と振り返った。第4局は18日に大阪市の日本棋院関西総本部で行われる。 対局をプロ棋士がユーモアを交えて解説する恒例の大盤解説会が開かれた別室には、徳島県や神奈川県、愛知県などを含む県内外から昨年の2倍の約60人が詰め掛けた。大町市内の男性(80)は「互いの執念や迫力が伝わってきた」と満足げだった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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