日本新聞協会は4日、「新聞週間」(6~12日)を前に幸せな気持ちになった新聞記事とその理由を読者が寄せる「HAPPYNEWS(ハッピー・ニュース)2012」の受賞者を発表した。県内からは、昨年夏の全国高校野球選手権長野大会で、選手と応援する男性の交流を取り上げた信濃毎日新聞の記事「ひたむきさ見つめるまなざし」(昨年7月10日付朝刊掲載)を読んで応募した上水内郡飯綱町の主婦西崎啓子さん(45)のコメントが、25の受賞作品の一つに選ばれた。 西崎さんが読んだ記事は、長野俊英高校(長野市)野球部3年(当時)の永原康太君が、部活動への思いを信濃毎日新聞の投稿欄「建設標」に寄せた文章を読んだ上田市の土屋郁雄さんが、同校に手紙を送り、2人が文通したことを紹介。「目立たない自分を見ず知らずの人が応援してくれるなんて」と感動した永原君の思いや、同校野球部が1回戦で敗れた後、観戦していた土屋さんが永原君と初対面し、激励した様子を伝えた。 西崎さんは、中学で陸上部員だった長男が練習してもタイムが伸びずに悩んでいた姿に重ねて記事を読み、「表に出る人は多くない。でも、ひた向きに毎日練習していた永原君の様子が目に浮かぶようだった」。土屋さんの行動にも「『やっていることは無駄じゃない』と、私たちまで(土屋さんに)励まされたようだった」と振り返った。 自宅にテレビがなく、ニュースは新聞で読むのが日課という西崎さん。新聞配達をしている息子2人も興味を持って読んでいるという。「政治や事件の記事ばかりではなく、小さな幸せを取り上げる記事が増えるといいなと思います」と話している。 「HAPPYNEWS」は、4月6日の「新聞をヨム日」に合わせて発表。昨年3月~ことし2月に掲載された新聞記事が対象で、9回目の今回は国内外から過去最多の1万5935件の応募があった。 大賞は朝日新聞の昨年12月25日朝刊に掲載された「無音の闇私のままで」を選んだ広島市の南園沙織さん(27)のコメントが選ばれた。100件以上応募した学校や、家族単位での応募に贈られる特別賞は、長野市の昭和小学校、塩尻市の田川高校など全国57校、6家族が受けた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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