昨年12月に重要文化財に指定された上田市常田(ときだ)の繭倉庫群「旧常田館製糸場施設」で5日、珍しいだるまなどを並べた「達磨(だるま)展」が始まった。施設を所有する敷地内の笠原工業などでつくるグループ「絹の文化常田館」が、多くの人に施設を訪れてもらおうと、重文になってから初めての展示会を企画。上田商工会議所の宮下茂会頭(77)から収集品約300点を借りた。 だるまは、禅宗の開祖とされる達磨大師が座禅を組む姿に似せている。展示品は、宮下会頭が国内各地で集めた高さ3センチほどのだるま100個を並べた額や、栗に赤い色を塗って作っただるまなど。達磨大師の木彫り人形や大師を描いた掛け軸もある。 宮下会頭は「だるまのように『七転び八起き』が信条」と言い、50年ほど前から国内外でだるまを買い集めている。初日は同施設前で、達磨展の開始前に重文指定を記念した式典を開き、市民や関係者約200人が参加。会頭は「だるまを見て心が温かくなってくれたらうれしい。だるまも皆さんを歓迎している」とあいさつした。 同施設は7棟が重文に指定されており、達磨展はこのうち1棟の鉄筋5階建て繭倉庫の2階で開いている。21日まで(無休)。入場無料。問い合わせは笠原工業(電話0268・22・1230)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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