県内は5日、南から暖かい空気が流れ込んで各地で気温が上昇し、松本と安曇野市穂高では25度を超えて県内でことし初の「夏日」となった。ただ、6日夕からは日本海を発達しながら進む低気圧の影響で風雨が強まる見込み。長野地方気象台は融雪と雪崩、強風に関する気象情報を出し、土砂災害や河川の増水などに注意を呼びかけた。 5日の最高気温は松本と穂高で25・2度に上り、他は飯田24・1度、上田24・0度、伊那23・7度などだった。県内の30観測地点中、23地点でことし最高を記録した。 3日に開花が宣言された松本市の松本城外堀の桜並木は、この日の暖かさでさらに花が開いた。昼休みの時間帯には、サラリーマンや観光客らが「わあ、きれいに咲いたね」「ここが一番きれい」。暖かさに上着を脱いで歩く人もいた。 桜並木では5日夜にライトアップが始まり、松本城では6~13日に本丸庭園を無料開放する「夜桜会」が予定されている。だが、同気象台は6日からの風雨で、各地の花が散ってしまう可能性を指摘。6日夕から夜遅くにかけ、県内で最大瞬間風速25メートル、多いところで1時間に25ミリの雨を予想している。風雨は北部山沿いは7日いっぱい、それ以外の地域は同日午前中まで続く見込み。 悪天候の予報に、県農業技術課は5日、農業用ハウスの補強、畑にある排水路の点検・補修といった対策を取るよう、市町村、農協などを通じて農家に呼び掛けた。同課の担当者は「6日の日中のうちに、少しでも対策をとってほしい」と話している。 県建設部は大雨注意報が出た場合、土砂災害に備えて各建設事務所や砂防事務所などに職員を待機させる予定だ。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧