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「本人通知」県内3市のみ 戸籍・住民票の不正取得抑える制度

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 戸籍謄本や抄本、住民票の写しなどの不正取得を抑止するための「本人通知制度」を導入している県内市町村が、東御、松本、塩尻の3市にとどまることが9日、県内77市町村への信濃毎日新聞の取材で分かった。県外では、戸籍などの不正取得事件も起きており、全市町村が導入した県もある。長野県の状況について、専門家は「制度導入などで不正取得の対策を急ぐべきだ」と指摘している。  同制度は、本人以外が戸籍や住民票を取得すると、受け付けた自治体が本人に対し、郵送などで取得された内容や日時を知らせる仕組み。委任状の偽造、成り済ましによる取得をしにくくする狙いで、各自治体が要綱などを定めて運用している。県内ではこれまでに3市が導入。通知対象などに差はあるものの、昨年7月に松本市が、続いて東御市がことし1月、塩尻市が同4月に始めた。  松本市の担当者は「戸籍や住民票は本人の委任状などがあれば取得できるが、委任状の偽装を窓口で見抜くのは難しい。市民の安心安全のため制度が必要だと判断した」と説明。東御市の担当者は「個人情報の不正取得を防ぐために必要な制度」、塩尻市の担当者は「不正の抑止につながる」と説明する。  鹿児島県警は昨年7月、同県内の会社役員が行政書士と共謀し、埼玉県桶川市の住民の戸籍を虚偽の理由で取得したとして、この会社役員を戸籍法違反などの容疑で逮捕した。桶川市は東御市と同様の本人通知制度を導入しており、通知で第三者による戸籍取得を知った住民が同県警に被害を届け出、発覚したという。  一方、3市を除く74市町村は制度未導入。町村の中には、「職員数が限られ、業務増加につながる制度導入は難しい」「住民から制度導入の要望がない」との声が多い。長野市は「委任状を持った代理人などの本人確認を厳格に行っており、現状では不要と考えている」とする。総務省は市町村に対し、本人確認には運転免許証など写真入りの身分証明書か、写真がない証明書の場合は、複数の証明書や水道など公共料金の郵便物などを合わせて確認するよう求めている。  県外では、埼玉県(63市町村)や香川県(17市町)で全市町村が導入している他、大阪府では全43市町村中39市町村が導入済み。個人情報保護に詳しいNPO法人情報公開クリアリングハウス(東京)の三木由希子理事長は「対策を講じていない自治体は、戸籍や住民票の不正取得を狙われやすくなる。本人通知制度には抑止効果があり、導入を検討すべきだ」と指摘している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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