佐渡さん辻井さん感動呼ぶ　英ＢＢＣフィルと共演

　信濃毎日新聞創刊１４０周年を記念して、指揮者佐渡裕さん（５１）、ピアニスト辻井伸行さん（２４）、英国ＢＢＣフィルハーモニックが共演する国内ツアーの長野公演が１２日、長野市のホクト文化ホール（県民文化会館）で開かれた。３者のツアーは東日本大震災で一度中止を余儀なくされたが、今月再開。壮大な演奏が会場を埋めた約２１００人を魅了した。 　プログラムに先立って大震災の犠牲者を思い、エルガーの「『エニグマ変奏曲』よりニムロッド」を演奏。その後、ブリテンの「４つの海の間奏曲」、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第１番」などを熱演した。夫と訪れた松本市の会社員池田弘美さん（３４）は「感動した。心に響く音楽だった」と話していた。 　佐渡さんは公演前の取材に「大震災以降、自分の中で音楽のあり方が変わった気がする。励まされたり一緒に泣いたり、音楽は人が共に生きていることの証しだと思う。感動を呼び起こすクリエーティブな世界を届けたい」と話した。 　３者のツアーは、大震災が発生した２０１１年３月１１日の横浜市での公演を含む５公演を中止。その後、佐渡さんらはいずれ再開することを約束した。ツアーは１１日の新潟市を皮切りに長野を含め全国計１２公演行う。（長野県、信濃毎日新聞社）