東日本大震災被災地の復興支援を目的に東京・両国の回向(えこう)院で27日に開幕する「善光寺出開帳(でがいちょう)」で、善光寺大勧進(長野市)の小松玄澄(げんちょう)貫主は12日、シンボルとなる回向柱に梵字(ぼんじ)などを揮毫(きごう)した。同院を訪れた小松貫主が一筆ずつ丁寧に文字を書き入れた。 大震災被災地の岩手県陸前高田市の杉を使った回向柱は40センチ角で長さ7メートル。仏教で宇宙の構成要素とされる「空」「風」「火」「水」「地」を表す梵字などを書き入れた小松貫主は「大震災で亡くなった方々の霊を供養するのが今回の出開帳。浄財の全額を震災復興の一助とするため、ご協力を仰ぎたい」と話した。 回向柱は18日ころに同院の参道に建立する予定。善光寺に伝わる秘仏の本尊と同じ形をした「出開帳仏」(一光三尊阿弥陀如来像(いっこうさんぞんあみだにょらいぞう))と「善の綱」で結ばれ、柱に触れると仏縁が結ばれるとされる。5月19日までの出開帳期間中、「びんずる尊者像」など善光寺の仏像を同院に運んで公開する。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧