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学力テスト、継続的な分析困難 結果比較できず

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 文部科学省が4年ぶりに全員参加に戻して24日に行う「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)で、県内19市教委のうち12市教委ではテスト結果の継続的な検証や分析が難しくなっていることが23日、信濃毎日新聞の取材で分かった。2010~12年度(11年度は東日本大震災の影響で事実上中止)は約3割の学校を抽出。抽出校以外も希望すればテストに参加できたが、12市教委は実施するかどうかや採点、分析を各校に任せたところが多く、その場合は全市でまとまったデータがないためだ。  業者テストも混在する中で、民主党政権で抽出校実施、自民党政権で全員参加と方式が揺れる全国学力テストの生かし方がはっきりしていない実態が浮かび上がった。  19市教委への取材によると、抽出方式だった10年度以降のテスト結果のデータを一部もしくは全部まとめており、本年度の結果と比較できる―と答えたのは、飯田、小諸、大町、飯山、塩尻、千曲、安曇野の7市教委だった=表。いずれも抽出校に限らず市内全校がテストに参加し、市が独自に予算を確保して専門業者などに採点と分析を依頼した。  一方、「比較できない」と答えたのは12市教委。抽出方式の時期のデータをまとめていない市教委が多かった。長野市教委と松本市教委などは「学校ごとの判断でテストを受け、採点や分析も学校の判断に任せていた」とする。希望参加校のデータを市独自に集計していた中野市教委学校教育課は「抽出方式と全員参加の結果は、全く別のデータとして捉えている」との判断だ。比較できない―とする市町村教委の大半は、全国規模で学力を測る機会として、民間業者のテストを導入している。  文科省と県教委は、学力向上と授業改善を図る材料として各校や市町村教委に学力テストの結果を活用してもらう方針。ただ、文科省は「15年度以降は全員参加方式が継続されるかは未定」としており、今後、市町村教委が安定して継続的にデータを生かせる状況になるかは見通せていない。  名古屋大学教育学部の石井秀宗(ひでとき)准教授(43)=教育測定学=は「全員参加の方が競争意識が高まり、学校や教員の取り組みが熱心になるので、抽出方式とは得られるデータの性質も異なる」と指摘。「学力の到達度を測るのなら数年に一度の抽出方式で十分で、授業改善は日々の学校生活の中で図られるべきだ」との見方を示している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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