下伊那郡阿智村駒場に建設された「満蒙(まんもう)開拓平和記念館」の開館式が24日午前、同記念館の駐車場で開かれた。旧満州(中国東北部)に入植した満蒙開拓団の苦難の歴史を伝える全国初の施設。阿部守一知事や飯田下伊那地方の市町村長、飯田日中友好協会(飯田市)の役員ら計約130人が出席し、不戦の誓いを新たにした。 式で館長の河原進さん(67)=下伊那郡喬木村阿島=は「満蒙移民の歴史を伝え、平和を求める舞台にやっと立つことができた。気持ちを引き締め、末永く堅実に運営していく」とあいさつ。阿部知事は「平和な社会や暮らしをしっかり守っていかないといけないとあらためて感じている」と述べた。 続いて、元開拓団員の中島多鶴(たづる)さん(87)=同郡泰阜村温田(ぬくた)=は「満蒙開拓の歴史を後世に伝え残し、命ある限り平和を求めて歩み続けていくことを誓います」と平和の誓いを読み上げた。式の後、内覧会が行われた。 同記念館は飯田日中友好協会の呼び掛けで発足した準備会が建設を進めてきた。満蒙開拓の歴史を年代をたどって学ぶことができる。一般公開は25日から。午前9時半~午後4時半。入館料は一般500円、小中高生300円。火曜と第2、4水曜、年末年始は休館。(長野県、信濃毎日新聞社)
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