上高井郡小布施町は24日、歴史的価値のある行政文書や古文書を住民が閲覧できる「町文書館」を、町役場3階に開館した。公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と定めた公文書管理法が、2011年に施行されたことを受けた。県によると、県内では同様の施設を県と長野市、松本市が設置しており、町村では初。国立公文書館(東京)によると、町村では全国で5カ所目になる。 文書館で収蔵しているのは、1954(昭和29)年2月に町制を施行する前の旧小布施村と、同年11月に同町に合併した旧都住(つすみ)村の行政文書。町内の旧家から寄託された古文書やガラス乾板写真のほか、町報の復刻版など町が刊行した本も置いている。 旧2村の行政文書は、条例文、議会議事録、予算書などで、合併関連書類や、職員の宿直簿などもある。旧家の古文書は、詳しい内容は分かっていないが、旧小布施村の行政文書とみられるという。ガラス乾板写真は、大正から昭和初期の撮影とみられており、当時の小布施の町並みや人物などがモノクロで収められている。寄託された写真は約130枚あり、このうち11枚の複製を展示した。 同館は、既に保存期間が過ぎている行政文書の中で、歴史的価値があると判断したものを随時収蔵する。行政文書や古文書は閲覧申請が必要で、町報の復刻版などは自由に見ることができる。いずれも貸し出しはしない。 同館の山岸正男館長(51)は「個人所蔵の古文書は散逸する可能性が高いので、積極的に寄託をお願いしていきたい」としている。開館時間は午前9時~午後5時。入館料は無料。問い合わせは同館(電話026・214・9114)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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