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諏訪地方特産の角寒天、戦後初の100トン割れ 昨年度生産

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 諏訪地方特産の角寒天の生産量が昨年度、計86トンにとどまり、戦後初めて100トンを割り込んだことが25日、分かった。昨年度は大雪で寒天を野外に干せる日数が少なかったことも大きな要因だが、健康やダイエットへの効果が注目を浴びて8年前に起きた寒天ブーム以降、生産量は年々減少傾向。生産量を上げるため、新たな需要を掘り起こしていくのが大きな課題となっている。  県寒天水産加工業協同組合(茅野市)によると、昨年度は、昨年12月~ことし2月にかけて茅野市を中心とする14業者が操業。前年度に生産した分が売れ残り、在庫を抱えている業者が多く、軒並み生産量を減らしたという。同組合長の小池隆夫さん(68)=茅野市宮川=は「雪が降り続く悪天候が続き、無理に生産量を維持することはしなかった」と話す。  諏訪郡富士見町に寒天製造工場がある八ケ岳産業も、大雪の影響で1月下旬に生産を数日休んだ。寒天の天日干しには、厳しい寒さと乾燥した空気が重要という。社長の藤森勇一さん(56)=諏訪市城南=は「冷え込みが厳しかったので品質は良いが、天日干しできる日が少なく、量を増やせなかった」と話す。  同組合によると、諏訪地方の角寒天生産量は1940(昭和15)年度のピーク時には1245トンあった=グラフ。80年度の生産額は20億円を超えていたが、昨年度は6億5千万円まで減少。工業的に作る粉寒天に比べると、販売価格が3~4倍高いため、販売が伸び悩んでいる。  小池さんは「原料のテングサは海外からの輸入が増えており、今後は円安によるコスト高にも立ち向かっていかなければいけない」と話す。諏訪東京理科大(茅野市)などと産学官連携による販路拡大の戦略を練っており、「地域で一丸となって難局を乗り切るしかない」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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