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笑いを届け40年 松本落語会が記念公演、441回目の高座

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 落語好きの松本市民らでつくる「松本落語会」が17日、結成40年目の記念公演会を松本市あがたの森文化会館で開いた。1973(昭和48)年10月からほぼ毎月1回、プロ落語家の寄席を開催し、この日で441回となった。私財を投じて同会をけん引してきた勧進元(主催者)の大島啓愛(よしのり)さん(76)=松本市県2=に、落語家や約280人の観客が拍手を送った。  冒頭、大島さんは「20年、30年と滞りなく過ぎ、40年目を迎えられた。僕が話してもつまらないので、あとは面白い落語家さんにお任せします」と短めにあいさつ。同会を一緒に運営する世話人が花束を贈った。  高座に上がったのは柳家さん喬(きょう)さんと柳家権太楼(ごんたろう)さん。ともに30年余り前から数回ずつ同会の公演会に招かれている2人は、落語を披露する前に「40年も続けてこられた努力に頭が下がる。新人の時から出させてもらったことへの恩返しをしたい」と語った。  同会は、オイルショックなどでの不景気下、街を明るくしたいと大島さんが友人10人ほどと結成。松本市内の各地で公演会を開き、現在世話人は13人、会員は100人を超える。  当初は赤字続きだったが、大島さんは舞台設備の仕事でためた約400万円を全て落語家のギャラにつぎ込み、公演会をやめなかった。「落語には、他人を信じることで社会は成り立つと教えてくれる話が多い。40年目を迎えられ、まさにその通りだと実感した」と大島さん。1年前から車いすで生活しているが、「体が動く限り、伝統文化である落語を若い人に伝えたい」と話している。  次回公演会は11月20日午後6時半から、同市中央の瑞松寺で。問い合わせは同会(電話0263・35・5627)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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