県内を中心とする登山愛好家ら40~70代の有志が、地球を一周する「五大陸踏査登山探検計画」を立て、7月に欧州大陸から旅を始める。2007~11年、メンバーの一部が中国・西安からトルコ・イスタンブールまで約1万1千キロを自転車やランニングで走破。シルクロードのメーンルートを駆け抜けた実績を「アジア大陸踏査」とし、今回の計画は「その先に広がる夢の旅」。20年までに欧州大陸を横断、アフリカ、南米、北米の各大陸を縦断する。総延長は現時点の概算で約4万8千キロに及ぶ。 有志らは11年7月にシルクロードの旅を終え、さらなる挑戦を続けようと決意。昨年12月に「五大陸踏査登山探検隊」を結成し、準備を進めている。 13ステージに分けて、大自然の過酷な環境の中、自転車やランニングでつなぐ。途中、登山や名所散策なども組み込む。基本はテント泊。各ステージ1~2カ月ほどかかる見通しで、隊員は都合に合わせて希望するステージに参加する。総勢約20人が参加する見込みだ。 欧州大陸は2ステージに分けて横断する。第1ステージはことし7月5日に出国。約10人が約1カ月かけてイスタンブールからスイス・ジュネーブを目指す。途中、欧州アルプス最高峰のモンブラン(4810メートル)も登る予定だ。第2ステージは来春、約2カ月かけてジュネーブから、スペインとモロッコの間のジブラルタル海峡を目指す。 以降は、アフリカは14年秋~15年秋(3ステージ)に、南米は16年春~17年春(3ステージ)に、北米は17年秋~20年夏(5ステージ)に旅する計画。最終目的地はロシア・シベリアと米アラスカの間のベーリング海峡だ。 渡航費や現地での生活費など費用は自己負担。食品や自転車の部品などを提供してくれる支援者もいるという。登山経験豊富な隊長の中村正勝さん(68)=上水内郡信濃町=は「いい年のおじさんたちが目標に向かって夢中になれる。日常で感じられない風、雄大な自然、異国の人々との交流を楽しみながら旅を続けたい」と意気込む。最年少の会社員丸山毅さん(40)=安曇野市=は日々倹約しながら旅費もためている。「アフリカに行きたい。周囲の理解や休暇など条件が重ならないと駄目だが、チャンスは巡ってくると思う」と話す。(長野県、信濃毎日新聞社)
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