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天然記念物の植物群、一部焼く 霧ヶ峰の大規模火災

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 諏訪市郊外の霧ケ峰で28日に起きた大規模な火災で、植物群落が国天然記念物に指定されている踊場(おどりば)湿原の一部に延焼が及んだことが、29日分かった。市は今後、延焼範囲や植生への影響について調査する方針。現地を訪れた専門家からは「土壌などに何らかの影響が生じる可能性がある」と懸念する声が出ている。  同湿原は、ミズゴケなどが分解されずに泥炭として堆積した高層湿原。同じ霧ケ峰の八島ケ原、車山両湿原とともに多様な植生で知られ、「霧ケ峰湿原植物群落」として国天然記念物になっている。保全のため、人の立ち入りは禁止されている。  火災の原因となった28日の「火入れ」は、踊場湿原北側の草原で実施。予想を超える風にあおられ、約154ヘクタールを焼いた。湿原内への延焼は、火入れを実施した実行委員会事務局を務める諏訪市生活環境課が確認した。天然記念物の保全を担当する同市教委の小島雅則教育長は29日、取材に対し「担当者から報告を受けた上で対応を考えたい」と述べた。  同日は、県や市、観光団体などでつくる霧ケ峰自然環境保全協議会座長の土田勝義・信大名誉教授も現地を視察。取材に「国の天然記念物に火が入ること自体が問題」とするとともに、火災による土壌の変化が植生に影響を及ぼす可能性を指摘し、「今後検証しなければいけない」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)


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