県警などは29日、北安曇郡白馬村の北アルプス白馬岳(2932メートル)白馬大雪渓で雪崩に巻き込まれたとみられる山口市の男性2人の捜索を続けたが、発見に至らなかった。大町署は、30日から天候が崩れる可能性があるとして、29日で組織的な捜索は終えるとした。 県警山岳遭難救助隊員、北ア北部地区山岳遭難防止対策協会員ら14人は、岐阜市の病院職員山口典子さん(56)が遺体で見つかった雪崩跡の標高1700~1800メートル付近を捜索、デジタルカメラやサングラス、ピッケルなどを発見した。また、山口市の男性2人が所属する宇部山岳会(山口県宇部市)の4人もこの日、遺留品回収などで大雪渓に入山。白馬尻小屋近くで2人が設営したとみられるテントを回収した。 28日夜に山口県を出発したという宇部山岳会の4人は疲労の色が濃く、下山後の取材に「雪崩の規模が大きく、手掛かりをつかめなかった」と一様に沈痛な表情。同会副理事長の江本正彦さん(51)は「発見は諦めていない」と振り絞るように語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
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