佐久市立国保浅間総合病院が病床のマットレスのリース契約で、特定の製品に限定して一般競争入札を行っていたことが18日、分かった。病院は入札参加業者などからの指摘を受け、競争入札の趣旨にそぐわない不適切な入札だった―とし、「複数の製品から選べるよう、条件を変えた上で入札をやり直す」としている。 入札したのは、11月から5年間のマットレス235枚の賃貸借契約。これまでリース業者との随意契約で使っていたモルテン(本社・広島市)のマットレス「ルフラン」以外は「不可」とし、東北信地域に事業所や営業所がある業者を対象に9月25日に公告した。10月9日の入札には2社が参加し、これまでと同じリース業者が落札した。 ルフランに限定した理由について、同病院総務課は「他社製品の使い勝手を確かめる時間がなく、これまで使っていた製品が良いだろうと判断してしまった」と釈明。入札後、落札できなかった業者から文書で疑問が寄せられ、院内からも「公正な入札をすべきだ」との声が出たため、18日に落札業者に入札をやり直すことを説明したという。 同課は「あらためて他社製品の使い勝手を審査する期間も設ける」としている。同病院は本年度、コスト削減や透明性確保のため、随意契約による業務を一般競争入札に切り替えている。 一般競争入札をめぐっては、東御市も市営東御中央公園テニスコートの砂入り人工芝を張り替える工事で人工芝を特定製品に限定。信濃毎日新聞の取材を受けて開札を中止し、入札をやり直す方針を示している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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