唇や口の中の上側が割れた状態で生まれる口唇裂(こうしんれつ)、口蓋裂(こうがいれつ)の治療態勢を充実させるため、県立こども病院(安曇野市)と信州大病院(松本市)、松本歯科大病院(塩尻市)が連携し、県内初の専門センターをこども病院内に近く設置することが7日、分かった。口唇・口蓋裂は、手術を担当する形成や口腔(こうくう)の外科医、矯正歯科医、言語聴覚士など分野の違う医療スタッフによる横断的、長期的な治療が必要となるため、センターが中心となってより効果的に治療できるようにする。 県内の医師や言語聴覚士らも加わる「口唇口蓋裂治療の会(長野・山梨)」によると、歯茎が割れている場合はかみ合わせ、口の中が割れて鼻腔(びくう)とつながっている場合は発音に影響が出ることがある。唇の割れは容姿に影響することもある。 センターの設置により、各分野の医師らが治療の方針などを相談し合い、一貫性のある医療の提供を目指す。また、子どもや保護者が相談しやすくなるといった効果も期待できるという。今後、センターを中心に3病院に加え、他の医療機関の専門家とのネットワーク化も図り、より効果的な治療も研究する。 同会は「以前から子どもの状態に応じ、医療機関同士で連携はあったが、複数の医療機関が連携して一体的に治療していくセンターをつくるのは、全国でも初めてではないか」としている。 こども病院を運営する県立病院機構は本年度、同病院に言語聴覚士を増員する。同病院は15日に会見を開き、詳細な医療態勢などを明らかにする。(長野県、信濃毎日新聞社)
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