県教委は18日の定例会で、県内の公立小中学校、高校、特別支援学校を対象にしたいじめの対応状況に関する調査結果を明らかにした。いじめが発覚した際の対応を定めたマニュアルは、小中学校は9割以上が作成していたが、高校は4割にとどまった。 大津市の中学2年生のいじめ自殺を受け、8~9月に県内の小中学校全564校、高校全105校、特別支援学校全20校を対象に実施。県教委の指導主事と知事部局の次世代サポート課職員が訪問して聞き取った。相談室の設置や職員研修の実施状況なども尋ねた。 マニュアルは、小中学校518校(91・8%)、特別支援学校16校(80・0%)が作成していたが、高校は44校(41・9%)にとどまった。マニュアルでは、学校ごとに当事者の児童生徒への接し方や、複数の教職員で対応することなどを定めている。県教委は、高校では生徒指導のマニュアルにいじめへの対応も含めているケースが多いとみているが、いじめに特化したきめ細かいマニュアル作成も求める。 児童生徒向けの相談室は、小中学校550校(97・5%)、高校94校(89・5%)、特別支援学校14校(70・0%)が設置。いじめをテーマにした職員研修は小中学校542校(96・1%)、高校65校(61・9%)、特別支援学校17校(85・0%)が実施していた。 報告では他に、県教委が調査で把握したいじめの事例から33件を紹介。「発達障害の児童が教員の目が届かない場所でからかわれていた」(小学校)「ネット上に個人を中傷する書き込みがあった」(中学校)などの事例があった。 調査では、いじめへの取り組みとして「養護教諭が保健室内を仕切って相談に対応している」「校長が給食時間に生徒3~4人ずつと食事をしながら様子を聞いている」などの回答も寄せられた。 県教委は「効果的な取り組みを学校に通知し、マニュアルの作成や見直し、職員研修などに利用してもらう」(心の支援室)としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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