北佐久郡軽井沢町大(おお)日向(ひなた)地区に暮らす旧満蒙(まんもう)開拓団員65世帯でつくる大日向振興会は26日、旧満州(中国東北部)で亡くなった人たちの七十回忌法要を同町の大日向公民館前で開いた。会員の高齢化で、法要は今回を最後にする方針という。 県内外から44人が参列。公民館敷地に建つ開拓碑の前で、故人の名前が読み上げられる中、1人ずつ目を閉じて、手を合わせた。 会長の坂本幸平さん(80)は法要前、「本来の七十回忌は来年だが、亡くなる方も増え、参列者も少なくなっているため1年前倒しした」と説明した。坂本さんは取材に「引き継ぎ手も少ない。今回が最後だろう」と話した。 10歳の時に旧満州へ入植したという佐久市臼田の井出正利さん(84)は「(最後の法要になることは)時代の流れだから仕方ない。ただ、開拓時代のつらい過去は、これからも忘れてはいけない」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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