26日の県内は、日中晴れて地表の空気が暖められたところに、上空に寒気が入り込んだ影響で午後から大気の状態が不安定になり、中部などで局地的に激しい雨やひょうが降った。長野地方気象台は午後3時40分、ことし初の「竜巻注意情報」を発表した他、一時は大雨注意報や、雷注意報も出した。同気象台、県などによると、その後、竜巻があったとの報告はない。 大町市美麻新行(しんぎょう)では午後5時ごろ、雷鳴と猛烈な風雨に交じってひょうが降った。住民らは「竜巻かと思うような強風とともに辺り一面真っ白になった」。約30分後に収まり、住民らが外に出ると、木が倒れて市道をふさぎ、屋根の一部がめくれ上がった民家もあった。 ひょうは大きいもので直径1センチ余。十数センチ積もった所もあり、「こんなに大量のひょうは経験したことがない」と新行自治会長の酒井豊一さん(64)。夜明けを待ち、田畑への被害などを確認する。 松本市の美ケ原高原では午後3時半ごろ、ひょうが降って積もった。王ケ頭ホテル支配人、三浦康栄(やすよし)さん(60)によると、30~40分間降り続いたという。同ホテルの大おかみ小沢博子さん(68)は「すごい音で降ってきて地面で跳ね返り、ひょうが踊っているようだった」。大きさは8ミリほどだったという。 午後3時ごろ、岡谷市川岸上の林で木の根元から火が出ているとの通報があった。岡谷消防署によると、木は高さ約15メートル、直径は約70センチ。落雷が原因とみられる。 同気象台によると、この日の県内は松本で最高気温30・2度、穂高でも30・1度となり真夏日を記録。岡谷消防署によると、岡谷市、塩尻市、上伊那郡辰野町にまたがる観光道路「塩嶺王城パークライン」で開かれたハーフマラソン大会では、出場した男性(45)がレース中に脱水症状となり、午後0時すぎに岡谷市内の病院に運ばれた。熱中症とみられ、命に別条はないという。(長野県、信濃毎日新聞社)
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