長野経済研究所(長野市)が29日まとめた県内企業の設備投資動向調査によると、回答した394社の2013年度の当初計画額の合計は前年度実績見込み比12・7%減の688億800万円となり、4年ぶりに減少した。同研究所は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復に期待感はあるものの、需要の見通しの不透明感は根強いとみて、「県内企業に波及するには時間がかかる」としている。 調査は3月中旬から4月上旬にかけて、県内企業740社を対象に実施。製造業185社、非製造業209社が回答した。回答率は53・2%。 減少率が2桁に拡大したことについて、同研究所は「東日本大震災の影響で先送りされていた設備投資が前年度に集中したため、反動で本年度の当初計画額が減ったとも考えられる」と分析している。 製造業は14・6%減の479億6600万円で、4年ぶりのマイナスとなった。業種別では一般機械が50・0%減。一部企業で海外拠点の新設が落ち着き、減少率が全業種で最大だった。精密機械も価格競争など受注環境の見通しが厳しく、17・1%減。輸送機械は、北米の景気回復による完成車メーカーの増産を見込み、11・2%増えた。 非製造業は2年ぶりにマイナスに転じ、7・9%減の208億4200万円。建設業は、公共工事の増加や消費増税前の駆け込み需要が期待されるものの、20・4%減。ホテル・旅館業と小売業は、建物の耐震改修などを見通し、それぞれ32・2%増、12・9%増となった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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