JR東海(名古屋市)の山田佳臣社長は29日、都内で開いた定例会見で、長野県内などに設けるリニア中央新幹線の中間駅の待合室について、「ホーム全体が待合室になる。(ホームに)座るものを用意する」と説明した。同社によると、駅の外側はコンクリート壁に覆われ、ホームと車両の間も扉部分が開閉する壁(ホームドア)で完全に仕切るため外気が入らない。「利用客が吹きさらしになることはない」(広報部)としている。 同社はこれまで、中間駅に待合室や切符売り場を設置する考えがないことを示し、阿部守一知事らはJRの方針を疑問視していた。 同社は、中間駅1階の大部分は賃貸し、地元負担で観光案内所や土産物店などを設けられるようにする方針。山田社長は「(店にお客さんを引き留めるため)座る所を地元が用意すると思っている」と述べた。 また、長野を含む沿線都府県でつくる期成同盟会が東京―大阪の全線を同時開業できる方策を国に求めていることに対し、山田社長は「環境アセス(影響評価)も必要だし、工事もやさしくない。(同時開業は)事実上不可能な段階だ」とした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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