塩尻市の高ボッチ高原の牧場で5日、乳牛の放牧が始まった。同市や松本市からトラックで運ばれた22頭の牛は、血液検査を受けて体重を量った後、広大な牧場に散らばって、早速、草をはんでいた。 牧場は標高約1600メートルで広さは約60ヘクタール。この日は晴れて、放牧した牛たちが駆け回る背景には北アルプスの風景が広がった。 放牧された牛は生後10カ月~22カ月のホルスタインの雌で、今後、出産を迎える。放牧により、牛舎で育った牛の足腰を強くすることや夏の暑さを避けることで健康状態が保てる。餌を与える必要がないため酪農家の作業も軽減されるという。 牛が放牧の環境に慣れるまでの間、いったん体重は減るが、放牧が終わる10月中旬ごろには50~70キロ程度増える。 高ボッチ牧場牧野(ぼくや)組合の波多腰和寿会長(42)は「普段は牛舎の中にいて見られないが、放牧することで訪れる観光客の目に触れる機会にもなればいい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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