須坂市は、長野電鉄須坂駅近くにある線路保守用車の停車場などとして使われていた敷地の無償譲渡を、同社に申し入れている。敷地は、昨年3月末で廃止された屋代線の跡地と隣接しており、市は屋代線の歴史を残す記念公園の一部として活用することを検討中だ。 敷地の面積は約2600平方メートル。停車場はことし3月に完全に廃止となり、鉄路や線路保守用車の車庫が残されている。市はこうした施設も含めた無償譲渡を申し入れている。 長野電鉄が屋代線の鉄道用地の無償譲渡を須坂市に申し入れたのは2011年10月。市はこれを受け入れた上で、隣接する敷地も譲渡の対象に含めることができないか、同社に打診してきたという。 須坂駅近くに本社がある太陽熱利用機器製造・販売「サンジュニア」の西原秀次社長(63)を中心に地元住民も、市に敷地の取得をするよう、ことし5月下旬に要望した。西原社長は、敷地に隣接する約330平方メートルの自社所有地に芝生を敷いたり、屋代線の歴史の説明板やベンチを置いたりして、一体的に整備する構想も描く。鉄路や車庫が残る敷地とともに、記念公園とする考えだ。 西原社長は「残った鉄路は、例えばイベントで電気自動車を走らせるなど活用方法はあると思う。須坂の活性化につなげたい」としている。 長野電鉄は、須坂市の申し入れについて「検討中」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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