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黒部ダム完成50周年の慰霊祭 171人追悼

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 国家事業として北アルプス・黒部峡谷に建設された黒部ダム(富山県立山町)完成50周年を迎えて、関西電力は5日、建設中の事故などで亡くなった171人を追悼する慰霊祭を、同ダムの慰霊碑前で開いた。30、40周年の折にも営んだが、報道陣に公開するのは初めて。大勢の観光客が見守る中、当時の建設関係者や富山県、大町市などの代表者ら27人が、半世紀前の苦闘に思いをはせた。  関西電力によると、ダム建設には延べ1千万人以上が動員され、1956(昭和31)年の着工から7年かけて63年に完成した。険しい峡谷での作業のため、高所からの転落やトンネル内の落盤、ダンプカーなどの車両事故が多発。殉職者には20、30代の若者も多かったという。  この日は、つるはしやシャベルを手にした作業員の姿をかたどった「六体の人物像」前に祭壇を設け、読経後、参列者が1人ずつ焼香し、静かに手を合わせた。  同社の吉津洋一北陸支社長は「先人から受け継いだ素晴らしい設備と不屈の精神力を、地域とともに引き継いでいきたい」とあいさつ。建設当時は前線基地となり、現在はダム観光の玄関口になっている大町市の相沢文人副市長も参列し、「あらためて多くの犠牲の上に成り立った偉業であり、観光遺産なのだと感じた。その歴史を大切に語り継いでいきたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)


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