北佐久郡軽井沢町は、しなの鉄道(上田市)が全国で唯一運行し老朽化で引退した列車「169系」を、同社から譲り受けて展示・公開する方針を決めた。同車両は旧国鉄時代の1968(昭和43)年、旧信越線軽井沢―横川(群馬県)間の碓氷峠の急勾配を走れる車両として誕生した軽井沢ゆかりの列車。6日再開した町議会(通年議会)6月会議に、展示場所の整備費など1200万円の関連補正予算案を提出した。 町の方針では、軽井沢駅に隣接する町の「(旧)軽井沢駅舎記念館」内の旧信越線1番ホームに展示。同ホームには、169系に連結して峠を越えていたEF63型機関車などが展示されている。 169系は碓氷峠の他、中央東線や飯田線などで使われ、しなの鉄道が1997年の開業時から利用。ことし4月29日の引退時には3編成(1編成3両)が運行されていた。うち1編成は、埴科郡坂城町に無償譲渡され、5月から一般公開されている。 軽井沢町は、坂城町の車両と同じ旧国鉄時代に親しまれた「湘南色」(オレンジと緑)の1両を譲り受ける計画。補正予算案は、旧1番ホーム改修費や、搬入のためにしなの鉄道の線路と同ホームを結ぶ仮設レール設置などの費用を盛り込んでいる。予算案は6月会議最終日の20日に採決。可決されれば、公開開始時期や工事など詳細を詰める。 しなの鉄道によると、残りの1編成と2両は廃車とする予定だ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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