県健康づくり事業団(長野市)は26日、月1回の口腔(こうくう)がん検診を市内の長野健康センターで始める。事業団などによると、口腔がん検診の常設は県内で初めてという。舌や粘膜、歯肉、顎の骨などにできる口腔がんは胃がんなどと比べ認知度が低いとし、常設を機に広く知ってもらい、早期の発見と治療につなげる狙いだ。 国によると、2008年に口腔や喉上部のがんと診断された人の推計値は全国で男性が1万1024人、女性が4498人。全てのがん患者のうち1~3%程度とみられている。 口腔がん検診は、通常の歯科口腔検診に追加する形で実施する。がんを発見するために歯科医師が問診や触診、視診をする。がんを見つけた場合は患者を病院に紹介する。検診を担当する歯科医師の小出浩貴さん(49)=長野市=は「治療が遅れると手術で顎や舌を切り取り、会話や食事に支障が出て生活の質を低下させる恐れもある」とする。 同センターは15年ほど前から口腔がん検診の実施に向け、国内外の検査方法について予備調査を始めた。検診を地道に続けることで口腔がんの認知度を少しずつ向上させ、早期治療への関心を高めていく考えだ。同センター健診・診療課の小穴修治課長(58)は「申込者が増えれば少しずつ検診日も拡大していきたい」と話している。 口腔がん検診は通常の歯科口腔検診4720円に加え、2千円を支払う。予約制で毎月最終水曜日の午前中。問い合わせは同事業団(電話026・286・6409)。(長野県、信濃毎日新聞社)
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