県短大(長野市)を四年制化する新たな県立大について、県が、管理栄養士国家試験の受験資格が得られる学科の設置を明記した基本構想案を、19日に開く有識者らの県立大学設立準備委員会に示すことが、13日分かった。私大や信州大を含めた県内の高等教育全体の振興策も併せて提示する。阿部守一知事は、準備委の検討結果や県議会の意見を踏まえ、県として基本構想を最終決定する。 県内唯一の管理栄養士養成課程(定員80人)を持つ松本大(松本市)は新県立大への同課程設置に反対している。複数の関係者によると、県は「県の特長である長寿を支えてきた健康や食文化を学生が学べる大学にする必要がある」と判断した。引き続き松本大に理解を求めていく考え。 県短大は現在も栄養士資格(県知事免許)を取得できる専攻(定員40人)があり、栄養士として3年以上の実務を積み、管理栄養士試験に合格する卒業生も一定程度いる。 基本構想案では、健康文化系の学科とし、信州の食文化などを広く学べるようにし、定員を40人とする方向。管理栄養士国家試験の受験資格を得るのに必要な科目は選択制とし、実質的な管理栄養士養成課程を受講できる人数はさらに絞り込む方向で調整を続ける。 松本大の住吉広行学長は13日の取材に対し、新県立大に管理栄養士養成課程を設置することに反対する考えをあらためて示した上で、「松本大で養成した管理栄養士全員を就職させるのが大変なくらいだ。本当に必要な学部を備えた大学をつくってほしい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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