諏訪地方4小学校の児童が16日、各校で育てたニッコウキスゲの苗計約450本を諏訪市郊外の霧ケ峰高原に植えた。ニホンジカによる食害が深刻な同高原で在来植物の再生に取り組む同市の小和田牧野農協から、2月に苗作りを依頼されていた。児童たちは「食害に負けず、きれいな花を咲かせて」と願っていた。 同市の中洲、湖南、城南3校と岡谷市岡谷小の児童や保護者計約220人が参加。同農協が所有する蛙原(げえろっぱら)の牧草地に高さ10センチほどに育った苗を植えた。順調に育てば3年ほどで花を付けるといい、城南小2年の藤森楓さん(7)は「早く花が見たい」と待ち切れない様子だった。 同農協は2007年から、霧ケ峰で採取したニッコウキスゲの種を平地で育て、苗を高原に植える活動を始め、11年から小学校に苗作りを依頼している。今後さらに苗を植える面積を増やす計画だ。 同農協の小松千章(ちふみ)組合長(72)は「子どもたちが自分の植えた苗が育つのを見守れるよう、霧ケ峰の環境を守っていきたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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