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オオルリシジミ飯山に根付け 保護団体 産卵を確認

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 飯山市などで活動する「北信濃の里山を保全活用する会」(65人)が5月に希少種のチョウ、オオルリシジミを同市内にある生息地とは別の場所に放チョウしたところ、さなぎから羽化した成虫が産卵したことが17日、分かった。オオルリシジミは環境省と県のレッドリストでともに絶滅危惧1類に分類され、県は希少野生動植物にも指定している。卵がさなぎになり、来年羽化すると放チョウ成功と言え、同会会員で同市公民館長の服部秀人さん(66)は「期待が持てる」と話している。  同会は、市内の生息地は1カ所しかない上に狭く、森林化も進んでいるため個体数を維持できないと判断。県や信州大、県内の他の生息地でつくる「オオルリシジミ研究会」の3月の例会で他の場所への放チョウを提案した。議論を経て、日本鱗翅(りんし)学会が同月設けた「保全のための放蝶(ちょう)に関するガイドライン」に沿って試験的に放チョウした。  同学会は生態系を乱すとして放チョウを認めていないが、他の手段で地域の個体群を守れない、他種への悪影響が及ばないと判断される、などガイドラインの七つの条件を全て満たす場合に限り放チョウを認めている。  今回放した場所は元の生息地と同じ山麓で、オオルリシジミが産卵したり、幼虫が餌にする食草クララが生えている。同会が2004年に発見し、種の系統を維持してきたオオルリシジミのさなぎ30個を5月に置いた。その結果、同月下旬から今月初めにかけて次々と羽化し、成虫の姿や成虫が交尾、産卵する様子を複数確認したという。  同会は、元の生息地維持のために毎年、除草などをしているが、オオルリシジミの個体数は発見当初に比べて激減。ここ数年は毎年10匹ほどしか確認できなくなっている。今月9、16日に開いた観察会でも同程度しか確認できず、全生息数も50匹を切ると推定している。  放チョウした土地の提供などで協力した地元観光協会会長の村松敏人さん(64)は「希少なチョウの回復、定着に期待したい」と話し、同会と連携して生息地を守っていきたいとしている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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