県立5病院を運営する地方独立行政法人県立病院機構の2012年度決算は、純損益が6800万円の黒字となり、2期ぶりに黒字転換したことが27日、分かった。前年度は3億3500万円の純損失だった。診療報酬が前年度比で1・38%のプラス改定となったことや、態勢強化で診療単価が増えたため。 売上高に当たる経常収益は、前年度比4億7500万円増の222億2500万円。県からは運営費負担金として前年度と同じ51億円を受けた。機構全体で医師を1人、看護師を33人増員するなど給与費が増え、経常費用は前年度比8200万円増の218億9200万円。経常損益は前年度の6千万円の赤字から、3億3200万円の黒字に転換した。 阿南病院(下伊那郡阿南町)の病棟改築に伴う減損損失など2億6400万円を臨時損失に計上したものの、最終利益を確保した。 病院別では、須坂病院(須坂市)が患者7人に対し看護師1人を配置する看護基準で通年診療をするなど態勢を充実した影響で、純損益が前年度の2億4400万円の赤字から、4千万円の黒字に転換。木曽病院(木曽郡木曽町)とこども病院(安曇野市)も黒字だった。 一方、こころの医療センター駒ケ根(駒ケ根市)は、病棟を全面改築したことに伴う減価償却費の負担が1億7900万円あり、1億1500万円の純損失を計上。阿南病院も病棟改築に伴う減損損失のほか、医師が減った影響で患者数が減少し、2億6700万円の純損失だった。 5病院全体の入院・外来患者数は、前年度を2万1082人(3・1%)下回る65万4299人だった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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