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夏の信州観光、リッチが人気 1泊で1人3万円超も

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 県内観光地の旅館、ホテルでこの夏の宿泊予約が好調なところが増えている。大手企業を中心とした景況感の改善が背景にあるとみられ、1泊で1人3万円を超えるところが昨年以上の予約を集めている。手ごろな価格の施設でも食事などを充実させた宿泊プランが人気だという。ただ、低価格帯の施設には昨年と変わらないとの声もあり、宿泊業界全体に回復感が広がっているわけではないようだ。  北佐久郡軽井沢町のザ・プリンス軽井沢の8月の予約件数は、昨年の同じ時期に比べて15%増。プリンスホテル(東京)が運営する最高級ホテルで、8月は平日料金でも2食付きで1人平均約5万1千円という。広報担当者は「昨夏より引き上げたが、予約は好調」と話す。  松本市安曇の上高地帝国ホテルでも、都内からのハイヤー送迎付きで2人で計約25万円のプランが好調。既に4月から20件以上利用され、8月も14件の予約が入った。  昨年は、都内と上高地の帝国ホテルにそれぞれ1泊する2人で30万円近いプランを設けたが、利用は数件だったという。ことしの予約状況について、帝国ホテルの広報担当者は「(安倍政権の経済政策)アベノミクスで(家計に)増えた資金の使い道を取り込めているのではないか」と分析している。  基本価格が1人1万2千~1万4千円の戸倉上山田温泉(千曲市)の「滝の湯」は、数千円上乗せすれば信州牛を味わったり、エステを利用したりできるプランが人気という。武井功社長(51)も「懐に余裕ができた人が増えているのではないか」。1人8千円前後という茅野市の蓼科パークホテルの夏場の予約は、昨年は7月に本格化したが、ことしは5月の大型連休明けで出足が早まった。  JTB(東京)は、7月15日~8月31日に1泊以上の国内旅行に出掛ける人は、前年比2・2%増の7624万人と推計。費用は1人当たり3万5010円で、前年を3・8%上回るという。宿泊先や部屋をワンランク上げる傾向があるといい、同社は「景気の回復傾向やボーナスの支給額が上がっていることが背景にある」とみている。  旅館ホテル向けの予約システムの制作を手掛ける「たび寅(とら)」(諏訪市)の秋山晶子社長(40)も、顧客の県内約100軒のホテル、旅館について「昨年の予約は低価格帯に集中したが、高価格帯にも散らばっている」。手ごろな価格のプランをなくして予約が伸び悩んだところもあるといい、「低料金を求める旅行者もまだ多い」と話している。  ただ、松本市の松本駅前にあるビジネスホテル「ホテル飯田屋」は昨年より予約が鈍いという。有賀稔支配人(58)は「5月の大型連休は予約が早くから入り、アベノミクス効果が出たかと期待したが、今は実感できない」。  1人2200~4千円で泊まれる長野市中御所の宿「森と水バックパッカーズ」の予約状況も昨年とあまり変わらないといい、オーナーの三井明高さん(54)は「景気が上向きになったという実感はない。(景気回復といっても)数字だけが踊っている感じがする」と話していた。  JTBは、7月15日~8月31日の海外旅行者は5・8%減の260万人と推計。旅行者が多い中国、韓国がともに20%以上減っているが、円安の影響はあまりみられず、東南アジアや欧州に行く人は逆に増えているという。(長野県、信濃毎日新聞社)


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