諏訪湖のヒシ除去、刈り取り舟で効率アップ

　県諏訪建設事務所は２３日、浮葉植物のヒシが大量に繁茂した諏訪湖で、専用の刈り取り船を使った除去作業を始めた。湖の水質浄化につなげる狙い。昨年度も試験的に導入したが、本格的な稼働は本年度からとなる。９月までに昨年度の３倍超、約５１０トンを刈り取る予定だ。 　刈り取り船は全長約９メートルで、保有する岐阜県の業者とリース契約を結んだ。船前方に備える長さ１・５メートルのカッター３本が水中でヒシを刈り取り、回転するベルトに載せて船後方に集める仕組みだ。この日は、岡谷市の十四瀬川（じゅうよせがわ）河口付近で作業。約８時間で５トンほどを刈り取った。 　湖の富栄養化の原因となる窒素やリンを吸収するヒシは、水質浄化に役立つとの見方がある一方、太陽光を遮って他の水草の成長を妨げたり、枯れて湖底に堆積し汚染の原因となる―との指摘がある。 　県は２０１６年度まで５年間の第６期諏訪湖水質保全計画で、ヒシの刈り取りを浄化策の一つに位置付けており、本年度は湖に繁茂する全量の約１割を除去する方針だ。同事務所整備課は「刈り取り船の本格稼働で効率よく作業を進めたい」としている。（長野県、信濃毎日新聞社）