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カンボジア少年、佐久で岩登り武者修行 8月大会参加へ

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 佐久市太田部(おおたべ)の佐久平ロッククライミングセンターで、カンボジアのソー・セイハ君(17)がロッククライミングの練習をしている。カンボジアでロッククライミングを指導する同センター経営者の浅井和英さん(34)=佐久市=らから才能を見いだされ、将来性を買った関係者が渡航費用などを援助して日本に招いた。8月10日から富山県南砺(なんと)市で開く「第16回JOCジュニア・オリンピック・カップ大会」にゲスト出場する。  セイハ君は17日から佐久市の浅井さん宅に滞在。同センターや佐久地方などの岩場で、指の皮がむけるほど熱心に練習している。腹筋の使い方を意識したところ、小さい石も手掛かりにつかめるようになった。「日本で出会ったクライマーはみんなすごい。もっと上手になりたい」と目を輝かせる。  始まりは2006年。浅井さんのロッククライミング仲間の伊藤忠男さん(64)=東京都調布市=が、国際協力機構(JICA)教育行政ボランティアとしてカンボジアに渡った妻の明子さん(60)に同行した。「長い内戦で知識層が殺され、教育の復興が進んでいない」(明子さん)状況を見た忠男さんが、ロッククライミングを広めようと08年、「アンコールクライマーズネット」を設立、理事を務める。  10年には日本で寄付を募り、世界遺産アンコールワットなどがあるシェムリアップ州に練習用の壁を設置。中学校体育教師のセム・サローンさん(36)らと指導している。浅井さんも年に2回ほど渡航して教えている。  同州に住むセイハ君は昨年10月、サローンさんに誘われてロッククライミングを始めた。ことし1月に浅井さんが訪れた際、セイハ君に才能を感じ、「世界で技術を磨き、母国で指導者になってもらいたい」と、日本へ招くことにした。同ネットのメンバーらが渡航費用などを負担した。  セイハ君について、浅井さんは「自分より技術の高い若手を見て衝撃を受けると思うが、乗り越えられる強さを持っていると思う」と期待する。セイハ君は富山県での大会後、東京都などを回って8月18日に帰国する予定だ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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