Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

伝統工法で屋根改修 諏訪大社上社本宮の社殿

$
0
0

 諏訪大社は23日、上社本宮(諏訪市中洲神宮寺)で改修中の社殿6棟の屋根について、現在の銅板ぶきから伝統工法の「檜皮(ひわだ)ぶき」と「こけらぶき」に設計変更すると発表した。銅板ぶき以前の工法の跡が工事中の調査で判明したため。2014年12月の完成予定が15年にずれ込む可能性があるが、16年の御柱祭には間に合わせたいとしている。  檜皮ぶきはヒノキの皮を少しずつずらして重ね、こけらぶきは厚さ3ミリに加工したサワラを重ねる工法。6棟は幣(へい)殿、拝殿、左右の片(かた)拝殿、脇片拝殿、四脚(しきゃく)門で、いずれも国重要文化財だ。  屋根の老朽化でことし1月に保存修理を開始。銅板を剥いだところ、四脚門でこけらぶきの跡、他の5棟で檜皮ぶきの跡を見つけた。11年に社殿7棟の屋根を改修した下社(諏訪郡下諏訪町)でもこれらの工法を採用したため、新たな設計で改修することを文化庁に申し出た。総工費は当初の2億4千万円から増える見通し。  大社と、工事を設計監理する文化財建造物保存技術協会(東京)によると、銅板ぶきになったのは1959(昭和34)年。36年と38年に、檜皮ぶきとこけらぶきで修理した記録があるが、建造当初も同じ工法だったかは断定できないという。現在の社殿のうち、四脚門は1608(慶長13年)に徳川家康が寄進。他の5棟は、江戸時代の天保年間(1830~44年)ごろに完成した。  現在、社殿は工事用の足場に囲まれており、一般客は幣殿などを写した大型写真パネルの前で参拝している。北島和孝宮司は「多くの人に迷惑を掛けるが、御柱祭に間に合うよう進めたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>