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父・笠智衆さんを語る 長女の川西さん、思い出の別荘で

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 茅野市蓼科高原に山荘を構えた俳優・笠智衆(りゅうちしゅう)さん(1904~93年)の長女、川西成子(せいこ)さん(東京都町田市)が24日、同山荘で笠さんの思い出を語った。山荘の保存に取り組んでいる地元有志が、当時の様子を教えてほしいと依頼。近くに仕事場を構え、笠さんを多くの作品に登場させた小津安二郎監督(1903~63年)との交流などを聞いた。  笠さんの山荘は、木造平屋の日本家屋。1958(昭和33)年の購入で、8畳、6畳、4畳半の和室3室と台所や風呂などがある。長く使われていなかったが、同市で毎年秋に開く「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」の実行委員会が「貴重な文化財」と着目。所有者の川西さんの承諾を得て、昨年秋から蓼科観光協会と整備してきた。  実行委と同協会は今夏から山荘を一般公開する計画だ。公開に先立ち、川西さんに話を聞きたいと依頼すると、「ここまできれいにしていただいたお礼がしたい」と快諾。この日は山荘に関係者10人余が集まった。  川西さんによると、笠さんは「小津先生を神様のように思っていた」といい、脚本を執筆していた小津監督の仕事場をたびたび訪れた。当時は一帯に映画関係者の山荘が約30軒ほどあったため、食事会が頻繁にあり、川西さんが小津監督にハンバーグを作ったこともあったという。  山荘内では片付け中に、小津監督直筆のスケッチが見つかった。川西さんによると「小早川家の秋」(1961年公開)の撮影に川西さんが付き人として同行した際、小津監督が兵庫県宝塚市の宝塚大劇場の外観を描き、譲ってくれたものという。思い出のスケッチとの再会に、川西さんは「ずっと捜していたのでうれしい」と笑顔だった。  実行委などは、イベントなどの折に山荘を外から紹介する予定。中に入る機会についても検討中という。(長野県、信濃毎日新聞社)


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