松本市の松本城で26日夜、コンピューター上の画像を、プロジェクターを使って投影する「デジタル掛け軸」が2日間の日程で始まった。色とりどりの光がゆったり変化し、幻想的な光の芸術が天守に映し出され、集まった人々を魅了した。 世界遺産など国内外の名所でこの手法による演出を手掛ける芸術家、長谷川章さん(65)=石川県小松市=が企画した。多数の画像をランダムに組み合わせて映し出す仕組みで、県内初の実施。カラフルな模様が次々に現れると、通り掛かった人たちが「すごい」と足を止め、見入っていた。 長谷川さんは「松本城は堀に映った逆さの城にも画像が映るのが特にいい。城の良さを再発見するための芸術で、地域の文化遺産を誇りに思ってほしい」と話していた。 長谷川さんは、2002年の古代ギリシャのパルテノン神殿を皮切りに、デジタル掛け軸を始め、これまでに世界165カ所で実施。今後、原爆ドーム(広島市)などでも行う予定だ。 松本城の27日の投影は、午後8時半~10時。(長野県、信濃毎日新聞社)
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