東日本大震災で被災した宮城県を3月に訪れた諏訪市の小中学生26人が、被災地の様子を壁新聞にまとめた。津波の爪痕を見た児童と生徒は、復興が進んでいない現状に驚きつつ、体験を家族や知人に伝えて防災意識を高めたい―との思いをつづっている。9月13日まで諏訪市諏訪の諏訪教育博物館で展示している。 視察は諏訪市などが企画。市内全11小中学校の代表が参加した。2泊3日の日程で多くの児童が犠牲になった石巻市の大川小や仮設住宅を訪ね、現地の人とも交流した。 新聞は春休みに1人1部ずつ作った。子どもたちは、津波で倒れた建物がそのままになっている現状を「今も傷だらけ」「ニュースで見るより復興が進んでない」などと表現。大川小は、体育館も校舎の窓ガラスもなく、コンクリートの柱がむき出しと生々しく報告した。「私と同じ小学生が、家族に会えないと思うとかわいそう」と書いた子もいた。 城北小6年の土田綾さんは「今自分にできること」と題し、節電・節約と、地域の清掃活動などを通じて災害時に助け合える関係を住民間でつくることを提案。その上で「震災のことを忘れずに伝え続けたい」とした。諏訪西中3年の小泉晃大君は、諏訪湖の水害を念頭に、日々の災害への備えを大切にしたい―とした。 会場では、被災地視察の様子を約20分にまとめた動画も流している。入場無料、午前9時~午後5時。土、日曜日と13~16日は休館。(長野県、信濃毎日新聞社)
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