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リニア走行試験再開 延伸区間を最高時速500キロ

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 JR東海は29日午前、延伸工事が完了した山梨県の山梨リニア実験線で、2011年9月から休止していた走行試験を本格再開した。同県都留市の山梨リニア実験センターで国や地元自治体関係者らを招き新型車両「L0(エルゼロ)系」の出発式を行い、工事前の18・4キロから42・8キロに延伸した実験線全区間を最高時速500キロで走行した。  実験線は、JR東海が14年着工を目指すリニア中央新幹線東京―名古屋の開業時(27年目標)にはその一部となり、営業線として活用する予定。実験線の延伸で、東京―名古屋間286キロのうち約7分の1が完成したことになる。実験線の延伸で、時速500キロで走行できる時間がこれまでの約30秒から1分半ほどに伸びた。走行実験では実用化に向け耐久性や保守方法などを確認、コスト削減も探る。  15メートルもある先端部を持つL0系5両(全長128・9メートル)の横で開いた出発式で、JR東海の葛西敬之会長は「超電導リニアは既に実用技術として完成している。さらなる走行実験を積み重ね、技術の一層のブラッシュアップ(磨き上げ)に取り組む」とあいさつ。関係者がくす玉を割ると、車体がゆっくりと動きだした。  試乗会で時速500キロ走行を体験した太田昭宏国交相は取材に「スピード感は体感したが、不快ではない。会話も普通にできた。東京―名古屋間が40分程度で結ばれれば日本の経済、社会を劇的に変えていくことを実感した」と述べた。  延伸工事は2008年に着工。先行区間18・4キロ(山梨県大月市―都留市)を、長野県方面に16・6キロ、東京方面に7・8キロの計24・4キロ伸ばした。延伸区間にはトンネルが10カ所あり、延長は19・1キロ。トンネル以外の「明かり区間」は5・3キロ。  リニアは、車両の両脇に搭載した超電導磁石がガイドウエー(軌道)の左右の側壁に設けた電磁石と反発したり引き合ったりする力を利用、車両を軌道から10センチ浮上させて進む。東京―名古屋の所要時間はノンストップ型で最短40分。県内中間駅が設置される飯田からは途中駅前後の減速や停車時間があり東京まで40分程度、名古屋まで25分程度を見込む。大阪までの延伸は45年を目指す。(長野県、信濃毎日新聞社)


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