上田市の産学官連携支援組織「AREC(エーレック)」は今夏、市内の企業などで学生が働く「信州サマーインターン」に初めて取り組んでいる。就職を希望する学生たちに上田市の企業を知ってもらう狙いだ。6月にARECが東京で開いた「信州若者1000人会議」などの際に学生を募ったところ、市内外の大学、大学院生18人が参加した。ホテル、フルーツ店、NPO法人などで市場調査や商品開発などを約1カ月間学ぶ。 大学、大学院生の男女3人は同市中央2のフルーツ店「玉井フルーツ店」でインターン中。同店で製造しているドライフルーツを使って市内の飲食店や菓子店で調理してもらい、PR用の写真集を作る企画を進めている。 28日は同市大手の洋菓子店を訪問。オーナーシェフ荒井英和さん(39)が「新しくできたメニューはずっと続けた方がいいの?」と質問すると、信州大大学院修士1年の小原大暉(こばらだいき)さん(23)=上田市踏入=は「協力してくれる店をPRし、ドライフルーツの使い方を提案するのが狙い。期間限定で考えています」と答えた。 写真集に掲載する店舗の目標は20店。小原さんは「目標に向かって試行錯誤し、自分の思いを人に伝えることにやりがいを感じる」と話す。 インターン参加者は上田市の信大繊維学部(常田)や長野大(下之郷)のほか、東京や横浜、京都の大学の学生もいる。全員が今月20日に開始。同市鹿教湯温泉のホテルでツアープランを企画する仕事や、電気設備メンテナンス会社で社内報を作る仕事などをしている。9月下旬、インターンに協力している同市常田のコワーキングスペース「HanaLab.(ハナラボ)」で成果を発表する予定だ。 ハナラボのプロデューサー井上拓磨さん(33)=同市上田原=は「決定権がある経営者と学生がなるべく一緒に働き、実践的なインターンになるよう工夫した」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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