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鳥獣駆除の団体認定制度 環境省検討 深刻な食害で

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 全国で野生鳥獣による農作物や山林への被害が問題化しているため、環境省が高い捕獲技術を持つ団体の認定制度をつくり、認定した団体には銃を使うことができる時間を延長するといった規制緩和を検討していることが29日、分かった。県内でも被害が深刻なニホンジカやイノシシなどを効率的に駆除するため、態勢強化を図る狙いとしている。  鹿について同省は、生息数の1割程度としている現在の駆除のペースだと、2025年度には北海道を除く全国で11年度の約2倍の500万頭まで増えると推計。駆除のペースを速めるには、大量の一斉捕獲や高山帯・亜高山帯、市街地周辺といった特別な配慮が求められる区域での駆除が必要になるとして、制度創設の検討を始めた。  認定の対象には企業やNPO、地元猟友会などを想定。安全管理態勢の確保や技術研修などを条件とし、ハンターの雇用や育成を促す。餌でおびき寄せた動物の群れを一斉に銃で撃つ「シャープシューティング」、高山帯・亜高山帯での駆除といった高度な技術を持つ団体や、地域住民の要請で駆除に出動する「地域密着型」の団体の認定を想定している。  銃を使った猟は日の出から日没までに限られているが、認定団体は日の出前や日没後の使用を認めることを検討。鹿などの駆除に必要なライフル銃は、散弾銃を所持してから10年たたないと所持できないが、同省鳥獣保護業務室は「期間を短縮できるか、警察庁などと相談したい」としている。猟友会などには、狩猟免許の取得可能年齢を2歳引き下げて18歳にするよう求める声もあるという。  環境省によると、高山帯での銃による駆除は長野・山梨県境の南アルプス・仙丈ケ岳(3033メートル)で9月1~4日に全国で初めて試行する。シャープシューティングは北海道・知床でエゾシカを対象に行っており、受託している公益財団法人知床財団は「日没直後は動物が活発に動き、捕獲に適している」と話している。  信州大農学部の竹田謙一准教授(応用動物行動学)は「趣味の狩猟と、生息数の調整という行政の事業を区別し、行政側が意図する場所、手法などを踏まえた捕獲の効率を高めることができる」と話している。  認定制度創設には鳥獣保護法の改定などが必要。同省は中央環境審議会の議論を踏まえ、年内にも一般から意見を公募し、本年度内をめどに方向性を固める方針だ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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